Patisserie La Porte Rouge

伝統に寄り添って試みる、完璧への挑戦

25才の時に4年半の修業として訪れたフランス・ブルターニュ。そこで出会ったパティシエが手がけた伝統菓子のソシソンショコラに深い感銘をうけたことが、山口さんのショコラ道をより突き進むきっかけでした。惹かれる思いは以前からありましたが、力強さと繊細さをあわせもつチョコが人の手を介すことで様々に変化する奥深さに、より探究心をかられたのだそう。産地ごとの味わいの良さをどのように引き出すか…理想のレシピは、チョコの歴史的な流れから読みとる法則だったり、積み重ねた経験ゆえの直感を頼りに考案します。そこで軸となるのが“伝統を守りながら、その枠のなかで冒険をする”こと。それは現代的なアプローチをしつつも、先人たちが築き上げた長い歴史に対する畏敬の念を忘れていないからこそで、ショコラがまとう凛とした気品からもひしひしと伝わります。「チョコって、いいですよねえ」と朗らかに笑う山口さんの高みを目指す挑戦は、お店の進化と共にこれからも続いていきます。

タウン情報トライアングル 2014年10月号掲載情報